70歳以上の高年齢者の雇用を守る!

なんかまた堅苦しい感じのタイトルになってしまいました´д` ; 。硬い文章にはなるべくならないように気を付けているのですが、どうですかね?
てかどう考えても堅苦しくなってますね、すいません( ̄▽ ̄)。
前回の記事では2013年改正版の高年齢者雇用安定法の説明をしました。
令和3年4月から施行される改訂版についても併せて解説しましたね。大事なことを沢山書いたので、ぜひ、今回の記事と併せて読んでみて欲しいです。
今回の記事では、令和3年に改正される高年齢者雇用安定法に対応するにはどうしたらいいのかについて解説をできたらなと思います。
日本社会において現況はどうなっているのか??

↑上の図では日本企業の中で、66歳以上の人が働ける仕組みになっている会社は、どのくらいあるのかを示しています。出典はこちらになります。
66歳以上でも働ける企業は18,921社でした。調査対象企業161,378社に占める割合は11.7%です。全体の1割程度ですので、まだまだ多くはありません。
中でも一番採用されている高年齢者雇用措置は、66歳以上の継続雇用制度の導入(6.8%)です。
今後は65歳から70歳までの就業の確保が努力義務となるため、徐々にこの数字も増えてくるでしょう。
70歳までの高年齢者の雇用機会を守るために必要なポイント、大事な要点をまとめてみました。継続雇用制度導入は、明日から定年制度をなくします、再雇用をしますといった簡単なものではありません。
導入においてポイントを4つ解説します。先に大事なポイントを箇条書きにしてまとめておきます。
- 高年齢者に合わせた勤務形態の導入
- 賃金の見直し
- モチベーション高く取り組める労働環境の整備
- 就業規則の変更・届出
今後経営者は高年齢者を雇用するにあたって、これらのものに取り組むこと、努力する義務があります。じっくり解説します。
ポイント1 高年齢者に合わせた勤務形態の導入

何歳まで定年延長をするのか、希望者全員を延長にするのか、それとも一定の基準に該当する人だけ延長できる仕組みにするのかを考えなくてはなりません。
基準を設ける場合、どんな基準にするのかを考えなくてはなりません。
- 健康診断の結果を踏まえて今後就業が可能なのか
- 家族構成はどうなのか
- 支えてくれる家族はいるのか
- 住まいの状況
- 事故に遭ったときに後始末をしてくれる人がいるのか
- 今後これまで通り業務を継続できるのか
などについて事前にヒアリングをし、定年延長しても大丈夫かどうかを判断しなくてはなりません。事前にガイドラインを作成しておくといいでしょう。
これまで通り正社員で雇うのか、それとも再雇用という形で、嘱託で雇うのかを話し合いましょう。
場合によってはこれまで通り正社員で雇い続けるということもあり得ますし、いつ倒れるのかわからないというのであれば、負担の少ない嘱託(アルバイト)という形にして、週3回程度の出勤にすることもあり得ます。
労働時間はどのくらいがいいのか、勤務日数はどうするのかをきちんと話し合い、就業が無理だと判断したなら70歳までの定年延長は断念するという形になると思います。
まだまだ現役でやっていけるのなら定年延長はいけると思います。
ガイドラインの例としてこのようなチェックシートを参考にしてみて下さい。
下図↓は厚生労働省などが発行している「65歳超雇用推進マニュアル」という書籍から一部抜粋したものになります。

このようなガイドラインを会社でも取り入れてみて下さい。
ポイント2. 賃金の見直し

ポイント1の話にも絡んでくるのですが、勤務形態をどうするのかを真剣に話し合い、今後正社員ではなく嘱託でやっていくのなら賃金は下げざるを得ないでしょう。
再雇用制度においては、雇用形態を変えて雇用を延長することになります。
一般的には再雇用時に、契約社員や嘱託社員など非正規雇用に変わります。この雇用形態の変更により、必然的に賃金は下がります。
ただし、再雇用時の極端な賃下げは労働契約法に抵触する可能性があります。
再雇用前に、対象者に対して仕事内容や責任範囲、それに伴う減額のパーセンテージなどを説明した上で、同意を得ることが重要です。
賃金の見直しにおいては、対象者のスキルや生活の安定を考慮しましょう。
ポイント3 モチベーション高く取り組める労働環境の整備

モチベーションアップ策としては、賃金アップ、公正な評価や、周囲からのフィードバックなどがあります。
社員全体に対する意識啓発をしたり、キャリア研修などを実施して、高年齢者が働きやすい環境づくりをするという意識を持ってもらいましょう。
高年齢者員が自分の力を発揮できる居場所を確保し、周りの社員と円滑に仕事をしていくためには、高年齢社員の周りで働く若手社員・中堅の社員の理解を得ることが大事になります。
高年齢者員が有する知識・技能などに応じた役職や称号を与えること、役職ではないけど、役割にふさわしい呼称を用いるなどの方法もあります。
ポイント4 就業規則の変更・届出

はーっここまで書くの疲れた( ̄◇ ̄;)。実は私が一番書きたかったのはここなのです。
現行の就業規則を見直してみて下さい。大半の会社では2013年の改正を受けて、65歳まで雇用延長する旨になっているのではないのかと思います。
今後、希望者は70歳まで雇用延長するという規則にする場合は、就業規則を変更しなくてはなりません。
就業規則を変更する場合、①就業規則変更届 、②意見書 、③就業規則の変更部分を、管轄する労働基準監督署へ届け出なければなりません。
「労使協定書」そのものは届け出る必要はありません。
なお、「再雇用規定」「嘱託社員就業規則」など、別規定を作成した場合は別途届け出が必要です。
①就業規則変更届

②意見書

注意事項:就業規則を作成、または変更した場合には、労働者の過半数で組織する労働組合(過半数労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者)の意見を記し、書面(意見書)を添付して、管轄する労働基準監督署へ届け出なければなりません。
③就業規則の変更部分

ちなみに労使協定書とは労働者と使用者、つまり社員と会社との間で交わされる協定のことです。就業規則は、労働者へ意見聴取をした上で作成・変更する義務があるのですが、会社側が一方的に作成・変更できるものです。それに対して労使協定は、労働者と会社の合意の元に締結するものです。
「就業規則では **** となっているけど、**** な場合は会社の命令には従いません」という趣旨のことを予め取り決めておくものになります。
会社に組合がある場合は大抵、労使協定を結んでいることが多いはずです。
あ〜苦労した。ここまで記事を書くのにも苦労をしました。
恐ろしいほど精神を消耗しました。この記事を読んで、高年齢者雇用措置の参考にしていただけるととても嬉しいです。
本日もありがとうございました。
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